メンタル疾患について、世の中の理解は以前より深まってきていると思うけれど、風邪やケガと違い目で見えない分、やはり本当の意味で理解してもらうのは難しいと思います。
そのため、自身のメンタル疾患について、誰に、どこまで話すのか、ということに迷う人もいるのではないでしょうか。
誰かに話を聞いてもらいたいけれど、絶対理解してもらえないだろうし変な目で見られるだろうから、とひとりで抱えている人も少なくないと思います。
私の場合は、基本的にはオープンにしています。
- 会社:上司を含めた一部にのみ話している。症状についても具体的に話している
- 友達:SNSでつながっている人は知っている。詳しい症状は一部の友人のみ。
- 家族:両親はなんとなく知っている。(薬を飲んでいるのを知っている)
隠していない理由は、特に隠す理由もないから。
私自身はメンタル疾患は恥ずかしいことだと思っていないからです。それに、職場では話しておかないと逆に迷惑をかけてしまうことがあるので、全員に話す必要はないけれど、関りが深いメンバーには話しておく必要があると考えています。
しかしその一方で、深く話していない理由は、やっぱり理解してもらえないと思うからです。
私は自身のメンタル疾患について理解を求めすぎて、危うく職場で仲が良かった人と絶縁状態になりかけました。
極端に言うと、
「私は病気だからできないことがある。体調が最優先なので仕事でも無理はできません」
という考えがあからさまに態度に出ていました。
当事者からすると自分を守るために必要な考え方だけれど、周りからすると「面倒な奴」でしかない。
そしてたとえ病気だったとしても、フルタイムの賃金をもらえているという事実を私は忘れていました。
うつを抱えながら働くうえで大事なのは「無理をしないこと」というのはよく言われることですが、実際には難しいです。
本当に無理をしないのであれば、「休職」の一択しかないと思います。
でも、金銭面やキャリア面を考えて、その判断が難しいこともあります。だからどうしても働かなければいけない、という人も多いと思うし、私もその一人です。
無理はできない、でも働かないといけない。
働かないといけない、でも無理はできない。
この無限ループを抜け出す方法として私は「無理はできません‼」と声高に宣言してしまったわけですが、これは本当におすすめしません。
どんな状態であっても、働くと決めたのなら仕事に真摯に向き合う姿勢は必要。
最初から「私は病気だから無理です、頑張りません」は信用を無くします。
それってメンタル疾患を抱えている人にとっては本当に損でしかない。
じゃあどうするべきか?
私は人よりたくさん働けないので、業務量を労働時間でカバーすることはできません。だから工夫して効率を上げたり生産性を高めるしかない。
今意識しているのは、働く時間と場所。自分が一番無理せず頑張れるのはどんな環境なのか?を認識することが重要だと考えます。
私の場合、時間は集中できる朝に頑張る。
場所は、最近一番捗るのは在宅ではなく出社勤務。でも周りに人がいると落ち着かないから、人が少ない朝は自席で、多くなってきたら休憩スペースに移動。
という感じ。
幸い私の職場は勤務時間や勤務場所が比較的自由なので、そういった認められているルールを存分に活用していきたいと思っています。
そしてもっと大事なのは、本当に無理だと思ったら、仕事がまわせないと感じたら、周りに助けを求めること。
そのときのために、メンタル疾患について伝えておく必要があるわけです。
収拾がつかなくなってからでは遅いので、「これやばいな」と思ったら勇気を出して早めに相談すること。
病気なんだからできてなくても察してくださいー、ではなく、大人なんだから、報連相(これって今は死語なのかな?)はきちんとすること。
こうして書いてみると、最近の私は自分が病気であることに甘えすぎていたなと、恥ずかしくなりました。
健康な人よりできないことが多いから、他の人よりフォローが必要なのは本当。
でも、働くと決めた以上は目の前の仕事をできる範囲で頑張るのは大事。
それが結果として、健康な人の10分の1の量だったとしても、そのときの自分はベストを尽くしたことになります。
メンタル疾患を抱えているからこそ、大事なのは他人との比較ではなく自分との比較。
もうすぐ今年も終わるけれど、このタイミングで自身を振り返ることができてよかったと思う次第です。
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